北京の友人からいただいた钧窑(鈞窯)の茶杯です。
河南省工艺美术大师(工芸美術大師)の靳林琳が作った作品になります。
钧窑は河南省禹州にある民窯で、宋代の五大名窯の1つとして知られています。
現在も中国五大窯の1つとされていて
官窯の最高峰が汝窯であれば、民窯の最高峰は钧窑なんて呼ばれることもあるほど
評価の高い窯でもあります。
金代・明代に発祥。当初は钧州と呼ばれた河南省禹州で発祥し
宋・元代には華北一帯に広がっていったそうです。
窯変釉が特徴的な美しい作品が多くあります。
この作者、靳林琳は河南省の工芸美術大師の方です。
紫砂作家も同じですが、中国では作家の技量に合わせてランク(?)が決められていて
「大師」とつくレベルはかなり上の方の作家さんになります。
日本で言うと人間国宝レベルでしょうか。
ただし、このランク分けも「国家」と各省に分かれていて
当然ながら国家級と省級は全くレベルが違います。
で、この作家さんは省級の工芸美術大師ですが
茶器マニアな友人の話では国家級になる人だよとのこと。
ちなみに美しい女性の作家さんで、彼女の作品は数々の美術館に収蔵されているようです。
大ぶりの茶杯で、日本で言えば「ぐい飲み」サイズです。
光の加減で印象が変化する釉薬が非常に美しいです。
青のような、翠のようなベースに
紅紫釉を連想させるような美しい紅色が美しく出ています。
窯変釉好きの私を知っててくださったのでしょうか・・・嬉しいです。(^^
手の馴染みも非常によく、陶肌も心地よいです。
こんな凄いものをいただいてしまって嬉しいという気持ちと
本当に申し訳ない気持ちと・・・
大事にします。