メーカーさんIの老板からいただいた20年老铁观音、1993年ものです。
個人のコレクションとして保有していたものを
先日お伺いした際に飲ませていただいたところ、これが本当に美味しくて
美味しい美味しいと連呼しながらいただいていたら
少し(といっても100gとか!)いただいたものです。
いや、本当にいつもありがとうございます。
産地は西坪とのことです。
もう何年も家族ぐるみのお付き合いをさせていただいているのですが
いつもコレクションされている古い貴重な普洱茶や岩茶など
勉強しなさいとたくさん飲ませてくれたり持たせてくれたり・・・
ありがたいです。(^^
黒褐色のしっかりと火入れされているような外観です。
大きさは比較的均一、砕けも殆ど確認できません。
細やかなしっとりした艶があり、綺麗な外観です。
大陸の鉄観音らしく団揉は緩めですが
珍しく茎が取り去られていません。
これは老茶にしようと初めから考えて作られたものである可能性が高いです。
すぐに販売するものは茎を取り去ってしまいますが
老茶にしようとする場合は茎を取り去っていないものが多いです。
といっても老茶として完成となったときに茎を取ったりもするので
一概には言えないのですが、
少なくとも売れ残ったから老茶にしたものではないということは間違いありません。
こちらも鉄観音用のとっておきの茶壷で。
琥珀のような褐色の水色です。
透明度と亮度が非常に高く出ています。綺麗です。
香りは陳香、薬香、遅れて柔らかい花香があります。
陳香はそれほど強くなく、嫌な感じではありません。
粘性のあるトロっとした茶質の良く出た口当たりで
深みのある優しい甘さが回甘となって強く感じられます。
余韻が非常に長く、これはしみじみと美味しい。
ものすごく複雑なミネラル感のような滋味があり
甘いけれども単純にそれだけではない、複雑な美味しさを形成しています。
何といって言えば良いか分からないような複雑な味わい。
でも一貫しているのは美味しい。
まさに玄人好みの味わいです。いやー凄い。(^^
煎を進めていくと柔らかい酸味も出てきて、これもまた美味しい。
味わいが深くなるような感じでいいですね。
そして異様に煎持ちが良いです。普通の鉄観音よりいい感じ。
不思議に面白いのが10煎も越えた頃になると
陳香が上手く変化して、何だか上質な浅煎りコーヒーのような香りに。
独特の香ばしい豆香があります。
これがまた心地よい香りで不思議と思いながらとまりません。(^^;
褐色の艶やかな葉底です。
見た目に反してとても柔らかくフカフカ。
弾力がしっかりある綺麗な葉底です。
肉厚でしっかり、葉の砕けも殆ど無く、製茶技術自体もかなり高いと思います。
葉の大きさも均一、元々が良い茶葉なんですね。
農薬や肥料の使いすぎが問題になっていて
今や無農薬はもちろん、減農薬や
施肥が適切なものを探すのが難しいようになってしまった鉄観音ですが
この当時はそんなこと全く問題にもならないような丁寧な作り方をされていたんですね。