2001年の凤凰单枞(鳳凰単欉)です。
来歴が面白いのは、鳳凰単欉だけに広東で作られているものの
福建省武夷山でメンテナンス(火入れ)しながら保存されていたもの。
というのもこれを持っていたのは岩茶の茶業兼茶商を営んでいる方から譲っていただいたので。
先日の鈴茶堂のお茶会で淹れさせていただいたのですが
以前に中国でお会いした際に、今度お茶会で鳳凰単欉淹れるんだ~と話したところ
面白いのがあると飲ませていただきました。
これが美味しくて、ご本人のプライベートストックだったのを無理にお願いして
(本当に嫌がってた・・・笑)
仲良しな奥様の強力な支援もあり、少量譲っていただきました。
ありがとうございます。(^^
香型は不明ですが、おそらく蜜蘭香。
黒褐色の細やかな艶のある茶葉です。
縒りは細め。鳳凰単欉らしい外観ですが、全体的に茶葉が小さいです。
細い繊細な印象を受けます。
落ち着きのある蜜香があります。
赤褐色の透明な水色です。
亮度もかなり高く出ています。
鳳凰単欉なのに赤褐色の水色というのは、やっぱり流石老茶といったところでしょうか?
あるいは炭焙煎のメンテナンスのせいなのか?
香りは意外としっかり。綺麗な品格のある蜜香と弱い薬香、火の香りも。
味わいは柔らかいミネラル感と滋味、爽やかな甘さがあります。
すっきりした苦味が柔らかく出ていて非常に複雑、でいてバランスが良いです。
回甘もしっかりあって、余韻が続きます。
美味しいです。(^^
2~4煎目あたりになって香りがぐっと華やかに。
これだけ年月が経過しているのに、ここまで華やかなのも凄いですね。
途中で清涼感のような感覚も出てきます。
鳳凰単欉は割と強いお茶ではありますが
老茶だけにそのあたりは非常に優しく柔らかいのも印象的です。
非常に煎持ちが良く、10煎を越える頃から薬香がまた前面に出てきます。
これが嫌な感じではなくて、むしろ心地よい感じで実に美味。
奪い取ってきて良かったなぁと改めて思いました。(笑)
艶やかな褐色の葉底です。
葉が開くということもなく、最初の1煎目から同じ形のままです。
揉捻が本当に丁寧に、しかもかなりの技術で行われているお茶ですね・・・
手で開こうにも非常に柔らかくて千切れてしまうほど。
老茶とは思えない柔らかさと弾力があります。
いや、逆に最近のお茶は肥料だのなんだかんだで
こういった葉底になるお茶が少ないのかも。
肉厚さも程よい感じで、密度が高そうな、みっちりとした葉です。
各地の茶業さん、茶商さんのご好意で10年前、20年前といった老茶をいただく機会が
ポツポツとあるのですが、大体がこんな感じで本当に美しい葉底です。
もちろん老茶になることができた品質だったということもありますが
今現在、このような作り方をしているお茶があるかというと本当に少ないです。
大事に飲みたいと思います。