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This article was written on 23 1月 2014, and is filled under delicious teas, 中華人民共和国, 雲南省, 黒茶 Dark Tea.

2001年 楊聘號

2001年 楊聘號

楊聘號(杨聘号)の2001年生茶です。

楊聘號とは1912年に雲南省の倚邦で設立された私人茶庄の1つです。
昔から雲南省で作られる普洱茶は重要な海外輸出製品でした。
かつてはこうした私人茶庄が輸出向けの品質の良い製品を製造していましたが
1950年に中国では毛沢東主導による主要産業の国営化が行われ
この私人茶庄も次々と消滅していきました。
(1950年までの私人茶庄のお茶は號級茶と呼ばれ高値で取引されます)

2001年 楊聘號

近年の経済自由化によって、こうした私人茶庄が復活しています。
一度国営企業に技術などを移行してしまっているため
そのまま復活という訳ではありませんが
復活直後のものは概して品質の良い、美味しいものが多いようです。
(ここ数年は品質がバラバラなように思います・・・;)

楊聘號は2000年に復活しました。
古六大茶山の古茶樹を使ったお茶を製造するという特色を持っていて
現在も殆どの茶葉が古茶樹を原料としているという姿勢は変わっていないようです。

2001年 楊聘號

このお茶は生産直後に香港へ持ち込まれ、そのまま乾倉で熟成されていたものです。
香港乾倉で12年熟成されていました。

白毫の艶が美しい綺麗な餅面です。
茶葉は比較的大きめ、古茶樹を使用している可能性が高いです。
(一応、古茶樹と聞いていますが)

2001年 楊聘號

緊圧は普通程度です。
熟成具合も普通といった感じで(乾倉でという意味ですが)
さほど崩すのに困りません。
外面と里面(内部)の配方は同じです。
大きめの茶葉や茎が期待できる感じです。美味しそう。

鑑定杯の使用はしていません。

2001年 楊聘號
蓋碗使用

赤褐色の綺麗な水色です。
透明度も亮度も非常に高く出ています。
香りは綺麗な高い樟香。ここまで綺麗な樟香は久しぶりかも。
味わいは予想通りにとても甘くて美味しいです。
茎ならではの甘さが良く出ていて実に優しく甘い。
後からミネラル感と旨みが戻ってきます。
重すぎず綺麗に熟成を上げてきたなぁと感心するような感じ。

煎を重ねても樟香の綺麗さは変わらず。
この香りの良さは珍しいほど。

2001年 楊聘號

樟香嫌いの人は嫌かもですが
一般的に普洱茶では樟香が最も良いとされていたりします。
私も最初は不思議な香りだなぁなんて思っていましたが
今や樟香の香りが大好きになりました。不思議です。(笑

香りと共に特筆すべきはこの甘さ。
大葉種ならではの甘さが良く出ています。
甘さの感じでいくと古茶樹かなと思います。
樹齢の多い少ないで甘さの質も少し変わってくるのですが
これは古茶樹にちかい甘さと思います。

2001年 楊聘號

肉厚の弾力のある葉底です。
綺麗な樟香が葉底からも感じられます。
比較的若い葉にも関わらず葉脈がしっかりとしていて
古茶樹を使用している確信がもてます。
葉が非常に柔らかく、広げようとすると敗れてしまうのですが
砕けなどはないようです。
熟成がしっかりと行われていて葉の形に戻らない部分もちらほら。

倉熟成は場所だけでなく、その茶商によっても味わいが変わります。
この茶商さんは好みにもよりますが、やっぱり老舗だけあって熟成が上手いです。
ここまで綺麗な樟香と味わいに仕上げてくる技術は凄いですね。

先日、ショップのお茶会で淹れさせていただきました。(^^

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