2004年の绿印红丝带(緑印紅絲帯)です。
香港乾倉のもので、台湾乾倉も少しだけあります。
紅絲帯のある普洱茶はいくつかありますが
これは7542レシピのものになります。
とはいえ、紅絲帯のものはそのレシピ通りのままではなく
アレンジされているものが多く、これもそういったものになります。
元々、紅絲帯のあるものは海外輸出向けに作られたものであるとか
香港の茶商(大体、南天公司あたりが多いようです)が別注したものだとか
その由来について諸説あるのですが、はっきりと分かっていないようです。
緑印紅絲帯が最初に作られたのは70年代でした。
この緑印紅絲帯は2004年に復刻されたもので、まだ国営時代の製造だそうです。
(ギリギリな時期ですが)
すぐに香港へ輸出され、9年間香港乾倉で過ごした後、台湾乾倉へ移動しています。
細かい艶のある美しい餅面です。
割と若い葉が多いような感じです。
同じ95年の7542青饼に比べると葉の大きさが小さめです。
外面と里面(内部)の配方は同じです。
緊圧は普通程度。それよりも熟成が進んでいて楽に崩せます。
熟成が進んだ餅茶の良いところは美味しいというだけでなく
崩すときにあまり気を使わなくて良いというところにもあります。
若い餅茶は崩すときに葉を傷つけてしまうとエグさになってしまったりしますが
熟成がしっかり進んだ餅茶にはあまり影響はありません。
そういった意味では慣れていない人ほど熟成が進んだ餅茶がお勧めなのですが
お値段がお勧めにならないのが普通なんですよね。(^^;
崩して改めて見てみると白毫が見事なのが目立ちます。
びっしりと細かい白毫に覆われていて輝いています。
比較的茶葉の嫩度も高そうです。
鑑定杯の使用はしていません。
褐色の透明な水色です。
亮度も非常に良くでています。
小豆のようなほっこりとした優しい香りがあります。
柔らかく丸い甘味の強い味わいで、後からミネラル感のような
深みのある複雑な旨みが戻ってきます。
余韻も強く、身体がほっこりとするような、優しいけど深くて強い味わいです。
美味しい。(^^
2煎目はしっかりとした赤褐色の水色に。
透明度も増してきたような感じの艶やかさです。
味わいがしっかり出てきて、柔らかい中にしっかりとしたミネラル感。
甘さが複雑になってきています。
微かな苦味のような収斂味のような味わいがあり
それが柔らかい味わいにキリっとしたアクセントを加えています。
この感じが結構癖になるかも。
通常、7542は10年未満のものだと強い収斂味があります。
その強さがないと長期保存しても味わいを保てないのですが
その強さを旨く方向を変えているなぁと
改めて乾倉熟成の技術力に感心させられました。
柔らかいけれど腰砕けにならない状態になっています。
煎を進めると棗香が出てきます。
苦味のような収斂味が消えてくると同時にフレッシュさが出てきました。
既に崩れていた部分やあまり気にしないで崩したせいもあって
茶葉の形状は細かくなっています。
全体的に弾力が強く、ムチっとした感じの葉底です。
肉厚でムチムチしているような、凝縮感のある葉です。
通常の7542よりも若干小さい葉が使われているようです。
葉底からも小豆のような香りがしています。
通常の7542が楽しめなくなってしまうような、熟成の妙というか
倉熟成の凄さを感じさせられるお茶でした。