福鼎市瑞祥龙茶业(福鼎市瑞祥龍茶業)の2006年福鼎老白茶です。
2013年の出荷ですが、元の茶葉は2006年に作られたもの。
普通は餅茶の形をしていますが、非常に貴重で高価なお茶のため
100gずつの板状の固形茶になって出荷されています。
非常に艶やかな餅面で、茶葉の感じからすると
おそらく元は白牡丹と思われます。
茶樹品種は福鼎大白茶種で固定されています。
本来は福鼎で作られる白毫銀針や白牡丹は福鼎大白茶種のみとされていましたが
(政和で作られる場合は政和大白茶種)
ここ近年はあまり品種のこだわりはないようです。
白茶用品種と思われる品種が使われていても白毫銀針や白牡丹として
出荷されていることも珍しくありません。
最近はこういったチョコレート型(と勝手に呼んでいますが;)の固形茶が
増えてきたように思います。
1枚あたりの重量を抑えられるのと崩しやすいということが人気の秘密かもしれません。
確かに崩しやすいですね。この形状。
白茶ということもあって緊圧が強くないので余計に扱いやすいです。
非常に高価なお茶なので、鑑定杯は使用していません。
金色の水色です。透明度、亮度ともに高く出ています。
独特の陳香と花香が合わさって、甘いオレンジのような果香を連想させるような
何とも見事で後を引く香りになっています。
その香りと呼応するように、ねっとりと柔らかく深い甘味があります。
遅れて清涼感を伴ったミネラル感も。
元々それなりに発酵が高い茶葉を後熟成させていることで
複雑な味わいになっているのだと思いますが
このバランス感はとても良いですね。
さらに固形茶にすることで、蒸しの工程が入りますので
全体をまとめている柔らかさはそのあたりから来ているのかも。
文句なしに美味しいです。
既に白茶というカテゴリは飛び越えているように思います。
煎を進めていくと更に複雑さが増してくるものの
柔らかい甘さと微かな酸味で上手く絶妙なバランスでまとまっています。
香りもニッキ飴みたいなニュアンスも出てきます。
陳年の白茶の美味しさはその柔らかさと深みのある甘さだと思いますが
この老白茶はその更に先をいっている様な奥の深さがあります。
凄い。
煎持ちはかなりよく、流石陳年白茶というレベルを超えています。
殆ど黒茶並みに続きます。何と10煎以上。
(それ以上は数えるのを放棄しました;)
バランスよく芯芽から葉まで配方されている印象の葉底です。
葉は結構しっかりと肉厚。
発酵が高めということ、陳年であることからも
それなりに硬さのある葉ですが、弾力はかなり強くあります。
元々陳茶にするつもりで作られているような印象です。
結構、玄人好みな複雑で奥深い老白茶という感じでした。
やるなぁと見直してしまうような感覚です。(^^