大昭寺見学の後は色拉寺(セラ寺)へ。
セラ寺はかつて河口慧海や多田等観が仏教を学びに来たことで知られています。
河口慧海のチベット旅行記を読んでいた私としては感慨深い訪問になりました。
ここでは午後3時から問答修行が行われています。
以前、チベット仏教の問答修行は完璧な論理学であると聞いたことがあり
情報処理に関わる者としては一度調べてみたいと思っていました。
(コンピュータは論理学の塊みたいなものなんですね〜)
とはいえ、なかなか時間が取れなかったり、適切な書籍が見つからなかったりなどで
実際の内容は全然知らない状態なのですが、その問答修行を実際に見れるとなると嬉しいものです。
荒涼とした丘のふもとにあるにも関わらず
お寺の敷地内は静かで心地よい緑の多い空間でした。
何だかここだけ空気が違うような、そんな感じです。
白く塗られたチベット式の建物が見渡すかぎり続いていて
ここはやっぱり中国じゃないよなぁと改めて実感。
これらはほとんどがここで修行している僧侶の宿舎になっています。
若い僧侶もいれば、かなりご年配の僧侶もいらっしゃいます。
そのせいか、1つの建物の入り口には養老院と書かれているものもありました。
また、逆に若者らしい音楽が聞こえてくる部屋もあったり
真面目にお経を唱えている部屋も。
敷地の奥のほうに問答修行を行う場所があります。
壁と木に囲まれた砂利敷のちょっとした広場で、既に僧侶が集まってきていました。
観光客は邪魔をしないように広場の端のほう、ちょっと離れた場所で見学します。
壁脇2メートル位の場所までしか入れません。
それでも雰囲気は十分に伝わってきます。
300mmの望遠レンズ(マイクロフォーサーズなので換算600mm?)を持っていたので
かなり表情もしっかり確認できる位に見学させていただきました。
どの僧侶もとても楽しそうなのが印象的でした。
すごく表情がいいんですよ!本当に楽しそうで・・・
顔がバッチリ映ってしまっているのでWEBにはアップできないのですが
言葉が通じたら私も問答やってみたいと思う程にみなさん良い顔をされていました。
(論理学好きなもので;)
みんな情報処理系やったら結構いいところまで行くんだろうなぁ。(笑
問答修行を見学させていただいた後は大殿へ。
とても太陽が強くて影が濃いのですが、そんな中に静かにありました。
何となくまた違う空気が流れているような、そんな雰囲気。
このセラ寺に限ったことではないのですが
チベット仏教の仏教画って日本でしか見たことが無かった時には
派手だなぁとか位にしか思ったことがありませんでした。
四川の東チベットも、ここチベット自治区・西チベットと同じように
太陽の光が違う場所なのですが、この光の下では本当に美しいんですね。
この色彩はこの空気と光があるところで見るべきだったんだなと納得できました。
派手とか思わず、美しいと思える色彩です。
離れたところに見える美しい山と近くのガレた自然の厳しさを感じさせるような丘と
この太陽の光と空気が、チベットに来たんだなぁと改めて実感。
そして、もう1つ。セラ寺は犬の楽園になっていました。
ポタラ宮やノルブリンカは猊下が猫好きだったということもあって
猫が多くいるのですが、ここは犬。
犬がたくさん好き勝手にお昼寝しています。
どちらも共通しているのは、みんな何だかいいなぁ的なのんびりとした雰囲気。