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This article was written on 12 2月 2016, and is filled under China, Travel, 宜興2014.

型使用の茶壺と完全手工の茶壺

丁蜀镇

食事後はHさんの友人でもある紫砂作家さんの工房も訪問させていただきました。

この作家さん、私もいくつか個人的に所有しているのですが
とても綺麗な茶壺を作られる作家さんです。
いつか鈴茶堂でもご紹介できたら良いなぁと思うのですが
お取り寄せ分で全て終わってしまって
未だにWebショップではご紹介に至っていません。(^^;

ご家族のお父さん以外、お母さん、お嬢さん、息子さんは紫砂作家さんという
まさに宜興を表すかのような一家だったりします。(笑

紫砂茶壺の制作方法には大きく分けて
完全手作り(手工と言います)と型を使用した作り方とあります。
私が長年最も気に入っている作家さん、湯宣武さんなどは完全手作りのものしか作りません。
しかし、そういった作家さんは実はとても少数です。
殆どの作家さんは両方の作り方で作ることが多いように思います。

丁蜀镇

このエントリの一番上の写真の茶壺は完全手作りですが
同じ形で同じデザインの茶壺でも型を使用したものもあります。
今回は気が回らなくて撮影してこなかったのですが(すみません・・・)
並べてみると一目瞭然という位に造形の美しさ、品格、艶などが違います。
まったく別のデザインというならば、型使用かどうかは分かりにくいのですが
同じデザインで並べてもらうと、本当に良く分かります。

もちろん価格も違います。
型を使用しているからといって、大量生産ができるわけではないので
(基本の茶壺型のみ型で整形、細かいところは全て手作業)
劇的に安いというわけではありません。

劇的に安いものは大概が工場生産のものと言ってよいと思います。
扱いやすい土=土質が柔らかくなってくるのも当然で
誤解を恐れずに言えば、そのような茶壺を使う意味は無いと思っています。
なにより茶壺がお茶の味や香りをどんどん吸収してしまうので
美味しくはいるどころか逆の結果となります。
それならばガラスのポットや磁器の蓋碗を使用した方がよほど美味しいです。

丁蜀镇

あ、話が逸れてしまいましたが(^^;
この作家さんの場合、型使用か完全手作りかの違いは大体2万円前後位の差があります。
この差を大きいと取るか小さいと取るかは個人の感覚ですが
私は小さいなぁと思っていたりします。
完全手作りだと本当に手間とか時間とか凄くかかるので、
むしろ完全手作りの価格設定が安い気がします。
いや、でも殆どの日本人からしたら考えられない価格なんでしょうけども。(笑

とまぁ色々と違いを見せていただいたり、
いいなぁと思う茶壺は恐ろしい金額になっていて泣く泣く見送ったりしながら
みんなでお茶を飲みながら茶壺談義。
地元の名産品までいただいたりして大変お世話になりました。(^^

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