友人の易武天能茶庄では見事なまでの手工の製茶を行っています。
殺青も薪にこだわるとか今となっては結構珍しい徹底っぷりです。
茶農家さんでも最近はガス使用だったりすることも多いのと
薪は火力の調節が難しい上に火が一定しないので殺青技術も相当に高くないと難しいのです。
写真は友人の甥っ子で、物心着いた頃から製茶をしている立派な茶師です。(^^
実際、薪を使った殺青はムラがでます。
飲み終えた後の茶葉を見ると分かるのですが、これが美味しさの元の1つと私は思っています。
お茶は農産物、その時その時で変わります。
そのブレ、揺らぎが魅力の1つでもあると思うのですよね。
ただし、この「ムラ」は薪を使った殺青の場合とそうではない場合もあるので注意です。
ムラがあるから手工だとはなりません。
大手の茶業さんの場合は製品のブレを無くすためにブレンドを行うことは普通です。
ロットの違う毛茶や味に深みを出すために古いビンテージの毛茶を混ぜます。
大量生産したい場合も同様で、複数ロットを混ぜることは普通にあります。
大手茶業さんでなくても毛茶を買い付けて生産している茶業さんも同様で(意外と多い)
この場合もムラがでます。
同一ロットで薪を使った殺青の場合とそうではない場合の見分け方はかなり難しく
ちょっと茶葉を見ただけではまず分かりません。
結構精密に茶葉をチェックしていかないと分からないんですよね。
なかなか難しいです。(なるべくやりたくない作業です・・・)
萎凋も最近では行わない茶業さん、茶農家さんが増えましたね。
普洱生茶も萎凋を行うと本当に美味しいのですが
生産性を上げるとなると萎凋の場所や手間、時間を惜しむというのは時代の流れなのかも。
また、萎凋を行うとどう変わるのかという根本的な理由を理解していない茶師さんも多く
削ってもそんなに変わらないでしょと言い切る茶師も残念ながら少なくありません。
このあたりはお茶の生産に関わる人達の教育レベルの問題も絡んでくるのですが
こうした山奥だと学校に通うのも一苦労ですし、高等教育となると地元を離れるしかありません。
なかなか難しい問題でもあります。
ちなみに友人茶師は農業大学出身なので、そういった必要性は強く必要と思っているようで
萎凋について話をしていて軽く2時間という・・・(^^;
その後、殺青についても小1時間。実際にやらせていただき、火傷した上に見事に茶葉を無駄にするという。
申し訳ありません・・・
この日の茶葉は比較的近い場所にある落水洞のものでした。
なので日の出ているうちに製茶を開始できたそうですが
これが遠い場所であったり、山奥の原生林にある野生茶樹だとそうはいかず
夜中に製茶開始、ほぼ徹夜ということも普通にあります。
実際、私が滞在していた間も半分位はほぼ徹夜していた状態でした。
4月は比較的落ち着いているかと思っていたのですが、良く考えたら茶山の場所によっては
(特に山奥系)4月の方が忙しかったかと・・・(^^;
そんな状態にも関わらず、製茶を見せていただいたり、実際にやらせていただいたり
本当にありがたいですね。
ちなみに実際に製茶したお茶は見事に殺青失敗。(焦げた)
お茶ではなく卵焼きにして美味しくいただきました・・・orz