易武の町(というか村と言ったほうが良さそうな規模ですが)を過ぎて
すぐ隣りにある易武古鎮へ。
ここに友人の家と製茶場があります。
比較的新しい建物が道沿いに並ぶ易武郷とは対象的に
易武古鎮は昔からの古い建物が多く、歴史を感じさせるものから
単にボロボロの農家さんなど様々です。
易武古鎮自体も結構小さい集落で、まぁ山間にあるので平地も少なく
斜面の中腹に建っている建物の方が多いかもしれません。
このあたりは昔からこの地で製茶を営む家が殆どで
12月の時期で製茶こそしていないものの、製茶機械の手入れや毛茶の掃除など
お茶を扱っている光景もちらほらと見えます。
易武古鎮の友人の製茶場は最近建て直しをしたもので、古鎮の外れにあります。
ということで、すれ違い不可というような細い道を車で奥へ進みます。
建物の間に畑(野菜)が増えてきた頃の場所に友人の製茶場があります。
ちなみに自宅は古鎮の真ん中。
この友人の家は代々この地で製茶を営んでいる家族で9代目。
友人のお父様はもうかなりお年ではありますが、名茶師として有名な方です。
易武古鎮に行くといつも挨拶に出てきてくれるのが、このワンコ。
いったいどこの家のワンコか知らないのですが(笑)
毎回人懐っこく案内してくれるかのように先を歩いています。
しかし、製茶場や茶農家さんで飼われている犬らしく
くっついてきても絶対に製茶場へは立ち入ろうとしません。
これは雲南以外の製茶場とかでも大体同じですね。
しかし、易武と言えども後継者問題は大変なようです。
若い人が本当に少ないんですよね・・・
子供かお年寄りが殆どで、友人のように腕に覚えのある茶業さんだったり
茶農家さんだったりすれば、それなりの収入が見込めるので
家業を継いでいるケースが多いのですが、そんな家ばかりではないのは当然のこと。
一部の高級茶を除いて殆どは名も無き茶農家さんが製茶した毛茶を
ある程度の規模の茶業が買い取って最終加工(成形など)をして製品茶にするわけです。
その茶農家さんたちが離農してしまうことが多いということは
今後、こうした普洱茶は高級茶しか残らないということになります。
あるいは台地茶と呼ばれる大規模生産されたものですね。
行く途中の山道で足止めされた時にお話した茶農家さんも
そんな名も無き茶農さんの1人です。
もっと奥の荒田村の方で、茶畑の管理と毛茶までの加工を行っているそうです。
散茶までならば作れると思いますが、固形茶にするにはやはり設備が必要で
易武でも全ての茶農家さんが餅茶へ加工できるということはなく
訪問した友人の製茶場のようなところへ持ち込んで依頼したり
販路を持たない茶農家さんは荒茶を買い取ってもらうということをしています。
(その買い取りとブレンドで大成功したのが大益ですね)
こういった茶農家さん、それぞれ個性があったりして魅力的なお茶を作るのですが
今後は少なくなっていくかもしれません。
易武の暮らしは実はそんなに楽ではないようです。
鈴茶堂ブログでも少し触れていますが、物価がかなり高いのです。
山の中にあるため、普通に考えて輸送コストがかかること
このあたりは製茶に比重をおいているため、食べるための農作物は殆ど作られません。
そのため、景洪市内よりも食料品の価格は高いのだとか・・・
実際、標高が高い場所では基本的に茶畑、低い場所はバナナの栽培が盛んで普通の野菜が無いのですね。
自分たちで自家消費用の野菜を作ってはいるものの、やっぱり足りないのが現実だそうです。
(友人は池も作って魚の養殖もしていました・・・自家消費用)
余談ですが、易武のバナナはかなり美味しいです。(笑
勐海のバナナより甘い気がします。
易武産バナナというとブランドのような気がしますが
お茶ではなくバナナには全く関係ないそうです・・・(^^;