いくつかの作家さんの工房を訪問させていただきました。
雑居ビルタイプというか、マンションタイプと呼ぶべきか、そんな感じの建物から
路面にある工房など、実に様々な工房があります。
実にたくさんの紫砂作家がいるものなのだなと改めて感心してきました。
作家さんの殆どは夜行性のようで(なんか分かる気がします)
宜興は夜に活気が出る場所なのだとか。
反面、午前中はみんな寝ていて静かなんだそうです。
いつでも静かなきがしますけど・・・(人がいないから)
これだけ作家さんがいると、作風も作品のレベルも様々なのですが
まだまだ続く中国の好景気(2014年でしたし)に後押しされてか
正直なところ、この金額じゃないよねぇと思うような作品が多いのも事実です。
個人の好みというものもありますが、全体のバランスが良いとは言えず
キレの無い、ぼやっとした作品が何千元とか聞くと
いや、それはないわ・・・とか心の中で叫んでました。(笑
まぁ売れるんでしょうね。実際に。
もちろん若手の作家さんも育てなくてはいけないですし
これはという作家さんを見つけていかないと
この円安、元高、中国の物価上昇という状況に打ち勝てないのですが
これがまたなかなか難しいものですね。
何人かはショップの方にも入荷させていただいたりしているのですが
そんな作家さんが思うように増えない、出会えないという状態です。
やっぱり、これって思う作家さんは若手の時から違うんです。
私が一番好きな作家の湯宣武さん。
まだまだ若手の作家さんの部類なのですが
初期のころから他と違う鋭さというか、何か1つ秀でているような
違いを明確に感じられました。
今やさらに腕を上げて、紫砂作家さんの中でもかなりの人気になっていますが
(現地ではいくつかの切手の図案に選ばれているほどです)
その理由も良く分かります。
やっぱり見て、使ってみると違うんですね。
鈴茶堂の方でも一度、彼女の作品を手にされた方は殆どがリピートされるのですが
造形だけでなく(もちろん、その造形も設計し尽してのものですが)
その先の使いやすさ、心地よさというところに理由があるのだと思います。
こんな博物館もあります。
Hさん曰く、見る必要ないそうで立ち寄りませんでしたが(笑
目的は同じ建物の上にある工房マンションでした。
見事なまでに高名な作家さんが名を連ねている場所で
この場所に工房を持つことは作家さんたちのステータスでもあるのかもしれません。
良い作家を育てるというのは茶商、消費者の役割でもあると思います。
現在、その価格付ける?と聞きたくなってしまうような作家さんはたくさんいます。
でも売れちゃうんでしょうね。
好みだから良いのですが、買い手が正当な価格しか許さない状態にしていかないと
無駄に価格だけ上昇していってしまいます。
正直なところ、国家級美術師とかそういった肩書や
いつどこの品評会で受賞したとかは全く関係ありません。
(それこそ、どうとでも出来たりしますから)
やはり買い手の審美眼ってとても重要だと思います。
難しいのですが。(^^;